Cosmy Lab.

物を作るひと、何かを描いて書いて編んで捏ねる人

箸置きを蒐集

箸置きを集めている。

私の、初めての自分だけの箸置きは大学に入る際、一人暮らしの準備のために百均で買ったガラス製のネズミの箸置きだった。

それ以来約10年、箸置きについて頓着せず、そのたった一つの箸置きだけで生活してきたのだが、最近突然気がついてしまった。「箸置きを集めたい。」

 

私の実家は食器道楽で、色んな理由でそれはもうすごい量の和食器がある。用途が限られているものも多くある。

箸置きも当然それなりの種類があった。お野菜の形、幾何学的な形、丸くてシンプルなの、おめでたい感じの洒落たデザインのもの…。

家族はそれぞれ皆、自分が日常的によく使う箸置きがあって、大抵それを普段使いしているわけだったが、ときどきお正月やなんかには特別の箸置きを出してきたり、季節にちなんだものを使うこともあった。箸置きを変えるのは私にとって日常だけれど小さく心が弾ける瞬間だった。

 

ところで、私はお外で食事をする際も箸置きがなければ困ってしまう。そのままテーブルに箸の先をつけることはできず、かといって渡し箸はいけないというなけなしのマナー意識はあるので、小皿のふちに箸先だけ掛けるか箸袋をなんとなく結んで箸置きを作る。

やっぱり箸置きがないと困っちゃうな、でも私自身は一つしか持ってないな。人が来た時に出してあげられる分もない。気分や料理で変えることもできない。ではこれから集めよう。

そのようにして私の小さな収集の旅が始まる。

 

初めはハウステンボスに行った時。大好きなミッフィーの箸置き。次は東京に行った時の蚤の市で見つけたお茄子の箸置き。またミッフィー展で見つけたガラスの箸置き。地元の駅ビルの雑貨屋さんで見つけた金属製の小さな動物の箸置き。お正月に使いたくて注文して買った(また?)ミッフィーのだるまの箸置き(現在デビュー戦のために共に帰省中)。

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そして最新の箸置きは先日デパートで巡り合ったレオレオニ展で見つけたアクリルの5つセットのスイミーの箸置き。

魚の兄弟たちの絵が5つに区切られていて、アクリルブロックの裏面にプリントされている。表面はマットな加工になっており水面から海の中を覗いているみたいで素敵な気持ちになる。

横から見てみると透明度の高い断面がとても涼しげで、夏にぴったりかもしれないと思う。

いつも2つずつしか買わない箸置きが5つも揃いであるのはなかなかの壮観で、そんなに大人数で食事をすることはないのだけれど、ああ買ってよかったと、事あるごとに取り出してうっとりと眺めてしまう。

小さいのに幸福度の高い集めものだなあ(集めものはそもそも大小に関わらず幸福度の高いものだとは思うけれども)とつくづく思う。

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