Cosmy Lab.

物を作るひと、何かを描いて書いて編んで捏ねる人

標本としての

私はおさない時分からなにかを作らずには気が済まず、なにかを読まねば、見ねば、観察せねば気が済まず、取り入れたものでまたなにかを作らずには気が済まなかった。
もう大人になって随分経つけれどもその性分は全くおさまらずにむしろ経験と経済力を得てますます助長されている…。
なのでこれまでそうやって作ってきたものだとか、その時の心の様子だとか、これからやりたいことだとか、そういうものをここに放流して私の意欲をひんやりさせてやるのも手だとおもったのだ。

 

私は比較的(非常に?)物事に心を動かされやすい質であって、素晴らしいものを摂取するとすぐに嬉しくなって飛び跳ねたくなって、そしてなにかを作る。
実際には飛び跳ねないし、そういう動的な心の動きというよりはもっととろっとしたもの…
例えば胸の中の器に少しずつ見聞きしたものがたまっていってそれがついに表面張力を破って溢れ出るような、
或いは静かな凪いだ砂浜に小さな波が寄せては返すのだけど、それがときどきおもいがけないものを運んできて、朝行ってみると何か素敵なものが打ち上げられているような、
そんな時に私はなにかを作る。
そしてそれは結構頻繁にあるので、作るのがのろい私は全然追いつけないのだ。
それでそんなふうに追いつけない時、ここに来て備忘録としてあふれた気持ちの標本や写真みたいなものを記録できたらいいとおもう。